俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜
 ちょうど電話が終わった頃に、食事が運ばれて来た。目にも鮮やかな創作和会席が和室にある大きなテーブルに並ぶ。

 ゆっくり寛げるようにと、デザート以外が全て運ばれた。

 全て料理が並んだところに、支配人が入ってきた。

「失礼いたします」

「どうぞ」

「新城様、この度はおめでとうございます」

「ああ」支配人には、話が伝わっているようだ。

「こちら、細やかではございますが、当旅館からのお祝いでございます」

 クーラーに入れられたシャンパンが置かれた。

「お気遣いありがとうございます」

「こちらこそ、大切な日に選んでいただき感無量でございます」

 両親と長い付き合いの支配人からの言葉に、素直に嬉しく思う。こうした気持ちをあじわえるのも、芹と出逢えたからだと感謝する。

「ではごゆっくりお過ごしくださいませ」

 芹の姿が見えないことに触れないところも、さすが支配人だと言える。

 まあ、事実はバレているだろう……。
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