俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜
「わざと作ってる訳じゃない。芹と出逢うまでは、全く女性に興味がなくて、それが態度に出てたのが、クールと言われてたんだ」

「そうなんだ」

「婚約者の存在を明かして、マスコミからこそこそ逃げることなく芹と生活したい」

「私で世間が納得してくれるかな?」

「俺には芹以上の女性はいないんだ。堂々としてくれたらいい」

「わかった」

 芹が受け入れてくれてホッとする。後は、芹の実家に行って、特に兄に頷いてもらわないと話にならない。

 美味しいお料理でお腹が満たされた頃、見ていたかのようにデザートが運ばれて来た。二人の婚約をお祝いする特別仕様になっていた。

 小さめのホールケーキに、たくさんの果物のデコレーション。プレートには『おめでとうございます』の文字。更には、祝の文字のろうそくに火が灯されていた。

「凄い!ありがとうございます」

「喜んでいただけて、こちらも嬉しいです。おめでとうございます」

 祝福の言葉に胸が熱くなる。

 二人の一泊の温泉旅行は最高の思い出となった。
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