俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜
 翌朝、遅めの朝食をお部屋でいただき、チェックアウトぎりぎりの時間までのんびりと過ごした。

 従業員一同に見送られ旅館を後にする。

「新城様、またのお越しをお待ちしております」

「またお邪魔します」

 日に日に優しくなっていく暁は、芹からいい影響を受けているのだろう。

 仕事では厳しく私生活では自分らしくが理想だが、今までの暁は、仕事でも私生活でも隙がなく、恐いイメージがついてしまっていた。

 だからといって、芹以外の女性を近づけるつもりはない。

「さあ芹、お土産を買って寄るところがあるから行こう」

「えっどこに?」

「着いたらわかる」

 途中、お土産をたくさん購入する。芹には、誰に渡すか全くわからないまま、これとこれはどっちがいいか?と何度も聞かれた。

 車が高速を走り出すと、寝不足気味の芹がうつらうつらする。

「着いたら起こすから寝てていいぞ」

「うん……」

 すぐに寝てしまった。横で眠る可愛い彼女の存在を感じながら、車は彼女の実家に向かい突っ走る。
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