俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜
 長いフライトで到着したフランスの地。

 暁と駿は何度も来ているが、芹は初めてだ。お洒落な街に来たのだとテンションが上がる。

 手際よく荷物を受け取り、空港を出ると迎えの車が待っていた。一旦ホテルにチェックインをする。

 駿は明日の打ち合わせに午後から会場入り仕事だ。

 暁と芹は、休憩してから少し観光をする予定にしている。

 もう、今日しか時間がない……。

 ところが、車に荷物を積み込んでいると、あちこちから視線を感じる。何が起こっているのか全く理解できない。

 そこへ、断片だが微かに聞こえたワードに三人は反応する。『せりな』と聞こえて来たのだ。

 フランス語が全くわからない芹と、ある程度聞き取れる暁と駿。

 暁と駿が聞き取ろうと耳を澄ませる。そして二人の顔がだんだんと歪んで行く。

「暁」

「ああ」二人の間で会話は成立したようだ。

「とにかく、車に乗りましょう」

 三人が乗り込んだ車は、行き先を事前に知らされている運転手によって、目的地に向かって走り出した。




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