俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜
 一方、打ち合わせに来ていた駿は、続々と出てくる驚きの情報と対策に翻弄されていた。

 思っていた規模よりかなり大きいイベントホールには、中央に舞台が作られ全体が見渡せる。

 舞台の上には巨大モニターがぶら下げられ、ゲーム画面が映し出される。こんなに大きなモニターに映すゲームが、バグのまま出荷されていたらと、今更ながらに冷や汗が出る。

「駿、久しぶりだな」

「ご無沙汰しております」

 フランス支社長自らやってきた。隣には、このイベントの責任者がいる。何度かオンラインで連絡を交わしているので、見知った仲だ。

 フランス語は聞き取れるが喋れない駿に合わせ英語で会話してくれる。

「どうだ?ゲームの発売イベントだが、盛大だろう?」

「はい」

「商品付きの入場券は一瞬で売り切れた」

「幸先いいですね」

「ああ」

「あの、報告したいこととお聞きしたいことがあるんです」

「なんだね?」
< 239 / 253 >

この作品をシェア

pagetop