俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜
 二人が着替えている間に、慣れた手つきでヘアメイクをしていく。

 黄色い髪のウイッグをツインテールして、メイクを施す。

 そこへ着替えた二人が出てきた。タイプの違う長身イケメンがコスプレした姿は圧巻だ。

 暁はタキシードにマント、駿は普段より厳つく見えるスーツ姿だ。

「二人共、とってもお似合いです!私が着替えたら小道具渡しますね。少し待ってて下さい」
 
 パーテーションの裏に消えていく芹を見送り、珍しく駿が口を開く。

「破壊力半端ないな……。そりゃみんな大騒ぎだわ」

 前回の幕内メッセでもコスプレ姿を見ているし、ネットの検索で写真も出てきたが、アニメを見たことのある駿が思わず言ってしまうほどの仕上がりなのだ。

「あんまり見るな。俺のだ」

「プッ、余裕ないな。けど、笑ってばかりもいられないな……」

 そして、衣装に着替えた完璧すぎる芹を見て、駿は絶句した……。

 暁も、また見惚れている。

「二人共黙ってどうしたの?」

「「……」」

「じゃあ、暁くんはこの仮面つけて。稗田さんはサングラスとインカムを」

 駿は、いつにも増して厳つい完璧なSP風なのだ。
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