俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜
「イベントも盛り上がりをみせ大盛況で幕を閉じようとしています」

 司会者が締めの言葉に入る。

「最後に、弊社新城堂社長の新城暁より皆様にご挨拶と発表がございます」

 このプログラムを知っている者は、支社長とイベント責任者とあと少数の関係者だけのため、参加者もスタッフも何事かと驚く。

 そこで動き出したのが、芹奈をエスコートしたタキシードに仮面の男性だ。

 芹奈の腰を抱き、見せつけるようにステージ中央までやってきた。

 『ギャー』『誰?』『なに?』

 たくさんの叫び声が聞こえる。

 マイクを受け取り喋りだす。

「新城堂の新城暁です。本日は、弊社のゲームソフト発売イベントにお越しいただきありがとうございました」

 自己紹介した瞬間、タキシードのイケメンが社長だと知り、驚き絶叫が起こる。

「たくさんの方々に祝っていただき感謝いたします。大人から子供まで、幅広い年代の方に楽しんでいただける商品をこれからも開発し販売していきたいと思っております」

 英語での完璧な挨拶。モニターには、フランス語が映し出されている。

 沸き起こる盛大な拍手だが……。
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