俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜
 暁の後ろから現れた女性を見て駿はポカンとしてしまう。その間にも暁は芹を連れ、社長室に向かって歩きだしている。

「ちょっ、どういう事だ?」

 駿は、思わず疑問を口にした。

「何がだ?」

「な、な、成宮さん?」

「えっ?」

 突然名前を呼ばれ戸惑いの声を出してしまう。

「駿、取りあえず部屋に戻るぞ。話はそれからだ」

「あ、ああ」

 前回見た芹の姿と違いすぎて戸惑いしかない駿も、素直にあとをついて行く。

 豪華な社長室だが、すっきり片付けられている。芹は、初めて入る社長室に動じることもなく、勧められたソファーに素直に座った。

「改めて、成宮芹だな」

「違いますって言っても、もう確信してるんですよね」

 転けた時のおどおどした様子は微塵もない。暁は、面白いものを見つけた子供のような高揚感が湧き上がる。その横で駿は、未だに理解しきれていない表情になっている。



 
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