俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜
「芹、明日は土曜だが予定は?」

「あります」

「シュンか?」

「……」

「シュンは何もんだ?彼氏か?」

「プライベートの事にお答えする必要はないですよね?」

「……」

「そろそろ失礼しても?」

「芹には、明日仕事をしてもらおうかな」

「はあ?職権乱用しないで下さい。明日は、幕内メッセにあっ」

 思わず行き先を言ってしまい口を抑える。だが、時既に遅し。暁はニヤニヤしている。

「へ〜、イベント会場でデートかぁ」

「……」

「楽しみだなぁ〜」

「へ?まさか来ないですよね」

「まぁ、俺もそんなに暇じゃないからなぁ」

「ですよね!」ホッと胸をなでおろす。

 ニヤニヤしたままの暁を訝しく思いながらも、長居はしたくない。

「では、失礼させていただきます」

 タイミングを逃すまいと立ち上がる。

「あっ成宮さん、最上階からのエレベーターはセキュリティの関係上、勝手には動かないので下までお送りします」

「お願いします」

 先程までとは違い暁が騒ぐこともなく、あっさりと社長室を後にした。



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