俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜
「芹はここに来てるんだよな?」

「今日のイベントはこれだけだな」

「……」

「どうした?やめるか?」

「駿、お前何言ってるんだ?ゾクゾクする」

「まあ、お前ならそう言うと思ったよ」

 実は暁には秘密がある。駿しか知らない秘密が……。

「この中から芹を見つけるのか……」

 人、人、人で会場の外まで人が溢れている。

「無理じゃないか?」

「いや。俺にはわかるはずだ」

 どこからくる自信かわからないが、暁が言うと可能な気がする。

 そして、会場に入った途端、一気に女性達の視線が暁に向いた。ザワザワと暁を指差し何かを口々に言っている。訳の分からないまま注目され、暁の機嫌は一気に下降する。

「あの〜」

 そこへ、女性が暁にオドオドと声を掛けてきた。眼鏡を掛けた大人しそうな女性だ。

「ああ?」

「すみません。『ハピカレの廉くん』のコスプレですか?」

「はあ?ハピカレ?廉??」

「はい」

「なんだそれ」

「違うんですか?すごく似てたから」

「……」

「失礼しました」女性はそそくさと去って行った。

「駿、なんだ?ハピカレって」

 すでにスマホで検索していた駿は、暁に画面を見せた。
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