俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜
「芹を連れて帰っていいか?」

「「えっ!?」」

 芹と箕谷から驚きの声が漏れる。

「ダメなのか?」

「芹奈さんとお知り合いですか?」

「芹はうちの社員だ」

 箕谷は、コスプレイヤーの芹奈とは面識があるが、アルバイトではないので身元までは知らなかった。

「そんなっ、私帰りません。まだ旬くんのところに行ってない……」

「昨日から、シュン、シュンって、シュンは何者だ」

「……」芹は答えない。

「新城社長、『ハピカレ』はご存知ですか?」

「知らなかったが、会場で廉とやらに似ていると言われ調べた」

「そうですね。確かに、登場人物のイケメン三銃士の廉に似ておられる。その三銃士が、廉と旬と稜なんです。芹奈さんが夢中なのは、その三銃士の旬ですね」

「旬とやらは、乙女ゲームのキャラクターか……」

 自分が嫉妬していた相手が彼氏でもなく、更には実在する人物でもないことに、安堵と歓喜が駆け巡る。ニヤニヤが止まらない。

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