俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜
 駿も、運転席で驚き固まっていた。普段の暁では考えられない気の利いた行動を目の当たりにした。

 芹がエントランスで転けてから、信じられないことばかりだ。

「どちらに向かいましょうか?」

「俺のマンション」

「え゛……」

「なんだ?どこか行きたいのか?」

「家はちょっと……」

「何を心配している。すぐに取って食ったりはしない」

「暁、お前……。不器用だな……。プッ」

「マンションなら、人目を気にせず食事できるだろう?」

「人目を気にせずって、余計に警戒するだろう?成宮さん、暁のマンションは頼めばシェフが来てくれて、自宅に居ながらコース料理が食べれるんですよ」

「リアル廉くんの世界……」

「芹はなんでもゲームと比べるんだな」

「だって現実離れしすぎて、リアルには思えない。新城社長の感覚が一般人とかけ離れ過ぎてるんです」

「暁だ」

「はあ?」

「新城社長って、他人行儀だろ?」

「他人です」

 出会いが出会いなだけに、しゃべり方は砕けてはいるが、呼び方は社長のままだ。

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