俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜
 車は、芹にも馴染みの新城堂のオフィスビルの前を通過した。そして、すぐ近くのタワーマンションの地下に入っていく。

 新城堂のオフィスビル自体が、オシャレな街中に建っていて、交通の便が良い。その近くに建つこのマンションは、ちょっとやそっとの金持ちじゃ住めない、超高級タワーマンションとして有名だ。

 芹の中では、廉くんと同じ二次元でしかありえない世界。ポカンとして、開いた口がふさがらない……

「着きました」

 普段なら、駿が降りてドアを開けてくれるのを待つ暁が、一番にドアを開けサッと降りたと思ったら、芹の座っている方に行き外からドアを開けた。

 あまりの素早い身のこなしに、駿も芹も驚き固まっている。

「あ、あ、暁、暁が自分でドアを……」

 幼稚園児が初めてのお遣いが出来たくらいの驚きようだ。

「芹」手を差し伸べる。

「えっと……」駿の言葉と暁の言動に驚き戸惑うまま、思わず手を出していた。

 そのまま、自然とエスコートされ車を降りたと同時に腰を抱かれる。



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