俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜
 窓の側まで行くが、若干怖さを感じる。

「こ、ここは何階なんですか?」

「47階だな」

「オフィスビルって50階建てでしたよね」

「ああ……」

「新城社長は高いところが好きなんですか?」

「はあ?」

「だって、こんな高い所に住んで、社長室も50階ですよね?」

「それは……。社長室が50階建てのビルの下の方にあったら可笑しくないか?」

「まあ、確かに」

「ここを選んだのは、ワンフロアに一戸しかないのが、この階だけだったからだ。同じ階に他にも人が住んでるとか嫌だろう?」

「はあ……」

 芹は、それが普通だと内心で叫んでいるが、きっと社長には普通ではないのだろう。

「芹は高い所が苦手か?なら引っ越すが」

「はあ?高い所は苦手ではないですが、慣れなくて耳がキンとします。っていうか引っ越さなくていいです。何考えてるんですか??」

「芹のことだが?」

 何の躊躇(ためら)いもなく言い放つ暁に、芹が躊躇う。もう、何度目かの廉くんかと、自身でツッコんでしまう。
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