俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜
急展開
 タワーマンションの最上階で、夜景を見ながら一流シェフのディナーを堪能した芹は、美味しい食事の味よりも疲れていた。もちろん顔には出さないが……。

 慣れない雰囲気に、食事相手は自社の社長様。何の罰ゲームかと思ってしまう。

 一方の暁は、大満足だ。こんなに満たされた食事はいつ以来だろう。食べる相手でこんなに美味しいと感じるなんて、すっかり忘れていた。芹がアルコールに弱く飲まないというので、いつもならワインを飲むが、今日は芹に合わせ飲まなかった。

 本日のディナーの最後は、デザートのフォンダンショコラのバニラアイス添えだ。

 疲れてはいるが、デザートでテンションの上がる芹は、今日一番の微笑みでケーキにフォークを入れる。中からはトロ〜ッとチョコが流れ出す。

「うわぁ〜凄い。絶妙なトロトロ感」

 そんな芹を見つめる暁も自然と微笑んでいる。

 何度か暁に呼ばれたことのあるシェフも、いつもと違う暁に驚きが隠せないようだ。

 いつも、食事相手は友人男性だ。そして、淡々と難しい話をしながら食べるので、表情では味の満足感は伝わらない。何度か呼ばれることで、満足はしてもらえているのだと納得していた。

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