俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜
「芹はどこに住んでるんだ?」

「新城堂から電車と徒歩で30分くらいのところです」

「車で送る」

「えっ、社長は運転されるんですか?」

「社長?」ピキッと聞こえそうな表情だ。

「はぁ〜暁くんは運転するんだね」

 思わず出るため息と、二次元と暗示を掛けての言葉遣いで、会話する芹。

「ああ。普段は、運転手か駿がするが、プライベートでは自分で運転する。俺の気が変わらないうちに行くぞ」

 玄関に向かう暁を、自分の鞄を持ち追いかける。やっと、この慣れない空間から解放される。

 玄関から直接続くエレベーターに乗り込み、あっという間に地下駐車場に着いた。先程は緊張から周りを見れなかったが、高級車が並ぶ。そして、暁が向かった駐車場スペースは何とシャッターが付いた特別仕様になっている。

 リモコンで開けた駐車スペースには二台の車。一台は先程ここまで乗ってきた車だ。

「あれ?この車……」

「ああ、今日乗ってた車だ」

「稗田さんはどうやって?」

「駿もこのマンションに住んでる。俺達が降りたあとここに駐車して自分の部屋に帰ったんだろう」



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