俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜
 違うところに住んでいるのだと思った。よく考えれば、新城堂の社長と行動を共にしているのだから、同じマンションの方が合理的なのだろう。

 もう一台は、真っ白なスポーツカーだ。車高も低く、趣味の車のイメージだ。

「こっちでいいか?」先程乗った高級車だ。

「どっちでも大丈夫です。電車でも帰れますから」

「いや、送ってく。住所は?」

 カーナビを操作しながら自然に聞かれると、警戒心なく答えてしまう。暁の思うツボなのだが、芹は気づいていない。しっかり、ナビに記録された。

 暁にとっては、芹の住所が分かってよかったが、警戒心のなさに心配になる。ここから、ナビの案内だと十五分程で着くようだ。

 運転する暁を見て、芹は胸がドキドキしている。男性の運転する車に乗るのは、父親と兄以外では初めてだ。しかも助手席から見る横顔は、凛々しくイケメンだ。二次元でしか経験のない胸の高鳴りに落ち着かない。

 この気持ちは何なのか……。


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