俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜
 まだまだ緊張感の漂う車内は、会話が弾むとは言えないが、ポツリポツリとお互いの話をする。

「芹は一人暮らしだよな?」

「うん。実家から通えなくもないけど、趣味に費やす時間が減るでしょ?あとは、兄が結婚して両親と二世帯住宅で暮らしてくれてるの。だから、無理して私が帰る必要がないかなと自由にさせてもらってる」

 暁くんと呼び二次元と思うようにした結果、社長と会話をしている感じは完全に抜けた。

「兄妹は、お兄さんだけ?」

「うん。暁くんは?」

「俺は今大学生の妹がいる」

「歳が離れてるね」

「ああ、十歳違うな」

「お兄さんは?」

「四歳上だよ」

「芹は何歳だ?」

「私は二十八歳」

「俺と二歳違いか」

「えっ、まだ三十歳なの?妹さんが大学生だったらそうだね……」

「何驚いてるんだ?」

「社長って雲の上の人っていうか、全く関わりがないから年齢とか気にしたことないし、かなり歳上なイメージで」

「じゃあ、今日でイメージは覆されたな」

「まあ。社長様には変わりないけど……」
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