俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜
 いつからどれだけの人にマンションを知られていたのだろうか……。

 暁に付き添われマンションに入るが、未だ恐怖がつき纏う。

「芹、今まで何か不審な事はなかったのか?」

「うん。特には……」

「ここは危ないから、取りあえず俺のマンションに来い」

「えっ、それは……」

「実家に帰るのか?もしくは泊めてくれる友人でもいるならいいが……。こんな時に一人でホテルなんて考えない方がいい。どうやって芹のマンションがバレたのか、まだわかっていないんだから」

「……」

 部屋に着き恐る恐る開けるが、侵入された形跡はないようだ。1LDKで全体が見渡せ、広くはないが綺麗に片付いている。こんな時でなかったら、芹の部屋に入れて喜ぶところだが、暁は気が気じゃない。

「スーツケースはあるか?」

「う、うん。でも……」

「?どうした」

「服が入っていて……」なぜか歯切れが悪い。

「持って出る服が既に入ってるのか?」

「そうじゃなくて……」

 クローゼットから大きなスーツケースを出してきた芹は、暁の目の前で意を決して開けた。

「これは!」



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