俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜
 もう立ち去ったと思っていた暁の右腕である駿の突然の登場に、慌てふためく受付の女性達。

「「すみません」」

「ここは会社の顔であって、お客様が一番最初に訪れるところ。噂話なんて以てのほかです」

「はい……」

「あなた達の直属の上司にはしっかり報告しておきます」

「「申し訳ありませんでした」」

 会社の顔である彼女達から、色々な噂が流されていると苦情が入っていたのも確かなのだ。お客様と顔を合わせる大切な部署で、あってはならない事。

 容姿はもちろん語学も堪能で優秀なはずだが、プライドも誰よりも高い。

 今の所、直接接触しようとはして来ないが、あわよくばと暁を狙っていることは伝わってくる。

「ところで、先程の女性はご存知ですか?」

「え?」

「派手に転けた女性です」

「な、なぜ?」

 暁の秘書である駿に、あからさまに戸惑いを出し、敬語も忘れ理由を聞く。しっかり注意したいところだが、八つ当たりされ、先程の女性に被害がいっても困るので、尤もらしい説明をする。



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