俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜
 裸のまま抱きしめ合い疲れて眠っていたふたりが、次に目覚めたのはお昼も過ぎた頃。

 芹は身体の節々の痛みを感じ目を覚ました。

「イタタタッ」

「大丈夫か?すまない……」

 芹の声を聞き、痛みの元凶の暁も目を覚ました。

「イタッ」 

 少し動くだけで、身体はギシギシといい、下腹部には鈍痛が走る。

「風呂に入って温まろう」

「まさか一緒に!?」

「もちろんそのまさかだ」有無を言わせない俺様を発動する。

 またまたお姫様抱っこされるが、先程と違い痛む身体には有り難い。ツンデレの使い方が絶妙だ。恥ずかしさより気怠さが強い分、優しさが身に沁みる。

 明るい部屋の中恥ずかしく縮こまる。ところが浴室までの間にある仕事部屋の扉が全開になったまま、先程は入口付近しか見えなかったが、中までしっかり視界に入り込み一気に芹を虜にする。

「待って!パラダイスが」 

「え?」暁には何のことかわからない。

「し、仕事部屋が、パラダイス」

「は?あ゛」

 何のことかわからなかったが、芹の言葉に仕事部屋に視線を向けると、開け放った扉の奥までが丸見えだった。焦る暁だが、芹の発した言葉の意味がわからない。

「ん゛?パラダイス??」

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