【完】ハッピーエンドに花束を
ぺらりと表紙を開く。そして個人写真まで一気に捲って、『望月暁人』の名前を探した。
「・・・あった!待って、暁人かわいいね。とても幼く見える」
「あー・・・俺、高校に入ってから成長期が来たからさ。中学の時は身長も低かったんだよね」
中学3年生の暁人は、とてもあどけなくてかわいかった。
「あ、相馬くんもいる。・・・あまり変わらないね」
その近くには友人の相馬くんの写真もあった。今とそんなに変わりないような気がするけれど、やはりどこか幼く見える気がする。
剣道部の写真も見てみると、今度はすぐに見つけられた。真ん中で座っているのがそうだろう。部長らしく凛々しい顔つきで写っていた。
楽しそうにパラパラと1人で捲っている私に「そっちばかりずるい」と、暁人もベッドの上に乗りあがってくる。
「俺も芽依のアルバム見たいんだけど」
「私、中学校で身長止まってるからほとんど変わらないんだよね」
「確かに。芽依は変わらなそう」
もう今年で19歳になるし、最近は練習がてら軽く化粧もしていた。
少しは大人っぽく見えるだろうかと思うけれど、中身は全然変わっていないような気がするのはなぜだろう。