その人形は恋の行方を知っている
第1章 好きな人
キーンコーンカーンコーン〜…

放課後を知らせるチャイムが鳴り響き、さっきまで授業で静かだった教室は騒がしさを取り戻した。
私も教材を急いで鞄に詰め込み、帰る準備は万端だ。

「咲葉〜、帰ろ〜!」
友達の花恋が私の席にやってきて言った。
「うん。あ、今日さぁ、ノート買いたいから雑貨店寄りたいんだ〜」
と私は花恋に言った。
数学のノートをもうすぐ使い終わってしまうことに今日気づいた。
できれば今日の帰りに買ってしまいたい。
「そうなの?じゃあ早く帰らないとだね!」
「花恋ごめんね、急がせて」

そう言って、私たちが並んで教室を出ようとした時だ。
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