カラダの関係は、お試し期間後に。
──数日後。
自室の鏡の前でキュッと赤い口紅を引くと、綾乃は妖しい微笑みを浮かべた。
「(…よし、完璧っ!)」
「(今夜は“超ワイルド系イケメンバーテンくん”とのデートだから、ちょっとセクシーな感じにキメてやったわ!)」
「(ま、デートっていっても彼のお店のBARに飲みに行くだけなんだけどねっ)」
その夜、気合いじゅうぶんでやって来たBAR。
店の扉を開けると、バーテンくんが綾乃を出迎えた。
「いらっしゃい、綾乃ちゃん」
「…待ってたよ」
お店の中には他の若い女性客が一人、すでに酔い潰れた状態でカウンターに突っ伏していた。
とりあえず中に入り、隅のソファー席に腰掛ける。
その時、女性客が呂律の回らない口調で何か話し始めた。
「んねぇ、マスター…あたひ、酔っ払っひゃったみたぁい」
「いつもみたいにホテルに──」
それを慌てて早口で遮るバーテンくん。
自室の鏡の前でキュッと赤い口紅を引くと、綾乃は妖しい微笑みを浮かべた。
「(…よし、完璧っ!)」
「(今夜は“超ワイルド系イケメンバーテンくん”とのデートだから、ちょっとセクシーな感じにキメてやったわ!)」
「(ま、デートっていっても彼のお店のBARに飲みに行くだけなんだけどねっ)」
その夜、気合いじゅうぶんでやって来たBAR。
店の扉を開けると、バーテンくんが綾乃を出迎えた。
「いらっしゃい、綾乃ちゃん」
「…待ってたよ」
お店の中には他の若い女性客が一人、すでに酔い潰れた状態でカウンターに突っ伏していた。
とりあえず中に入り、隅のソファー席に腰掛ける。
その時、女性客が呂律の回らない口調で何か話し始めた。
「んねぇ、マスター…あたひ、酔っ払っひゃったみたぁい」
「いつもみたいにホテルに──」
それを慌てて早口で遮るバーテンくん。