カラダの関係は、お試し期間後に。
「ああーーっ!ほんとだねー!!こりゃあそうとう酔っ払っちゃってるみたいだねー!アッハッハ!!」
「さぁ!今すぐタクシー呼んであげるから、さっさと帰ろうねーっ!!」

そのやり取りを見ていて、綾乃は察した。
この男は、女遊びが激しいのだと。

「(この人、きっとしょっちゅう女性客にも手を出してるに違いないわ)」
「(でも、こういう人に限って案外、ピュアな女に一途になったりするのよね)」
「(じゅうぶんに誘惑して惹きつけてから一気にピュアな女をアピールしてギャップを見せつけたら…さて、彼はどう出るかしらね…)」

カウンターの向こう側に立つバーテンくんのことをそんなふうに分析しながら、綾乃はバーテンくんにニッコリ微笑みかける。
そしていよいよ二人きりになった頃、バーテンくんがカウンターから身を乗り出して綾乃に近づいてきた。

「さ、何にする?綾乃ちゃんが飲みたい感じのカクテル、なんでも作るよ!」
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