カラダの関係は、お試し期間後に。
そう言って舌なめずりをする綾乃の口元を見つめて、バーテンくんはゴクリと喉を鳴らした…。

「わ、わかった…じゃ、ちょっと待っててもらえる?」

しばらくした後、“ディープ・スロート”が注がれたグラスが綾乃の元へ届けられた。
それを一口飲んで、綾乃はまたもや舌なめずりを繰り返す。
その様子を、隣に座ったバーテンくんは鼻息を荒くしながら眺めていた。

「このカクテル、すっごくおいしい!」

1ミリずつ距離を縮めていきながら、バーテンくんは綾乃に笑いかける。

「ほんと?そりゃあ、こんなにセクシーでキュートな綾乃ちゃんのために作ったカクテルだからね!」

「お世辞がうまいのね…」

「お世辞なんかじゃないよ、俺…合コンで初めて綾乃ちゃんを見た時から……キミに夢中なんだ」

そう言ってまっすぐ見つめられ、ギュッと手を握られた綾乃は内心焦りを感じた。
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