カラダの関係は、お試し期間後に。
「ここがイヤなら、店閉めてホテル行こうか?」

綾乃の両腕をグッと掴むと、バーテンくんはすっかり興奮した様子でキスを迫ってきた。

「綾乃ちゃん、その様子だとキミもこういうの、慣れてるんだね」

いよいよバーテンくんの超ワイルドな唇があと数センチのところまで来た時。

「ま、待って!!私…実はまだ処女なの!!」

堂々とついたその嘘が、バーテンくんの動きをピタリと止めた。
息を落ち着かせた綾乃が、この状況をおさめるために当初の目的だった“ピュアな女アピール”を始める。

「わ、私、こう見えて彼氏いない歴=年齢でっ!実は男の人と手を繋いだこともないの!!」
「バーテンくんに嫌われたくない一心で…遊び慣れてる女のふりしてたの!ごめんなさいっ!!」

しばしの沈黙の後、バーテンくんは目をキラキラ輝かせて言った。

「へぇ…綾乃ちゃんって、案外ピュアなんだね…!」

「え、ええ…!」
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