カラダの関係は、お試し期間後に。
少しホッとしたのも束の間、バーテンくんはその表情を一瞬にして鬼畜へと変えた…。

そして綾乃の腕を握る手に、グッと力を込めてニヤリと笑うバーテンくんがそこにいたのだ。

「逆にそそられるわ〜…」
「俺ってさ、実は本命の彼女とかもいたりするんだけど…実は“処女狩り”が趣味なんだよねぇ〜♡」

その言葉とニヤついた顔を見るなり、焦りが恐怖へと変わって綾乃は身震いした。
それと同時に、考えが浅はかだった自分自身への深い後悔が波のように押し寄せてくる。

「(こ、この男っ…遊び人なんかよりよっぽどタチの悪い野獣じゃないのっ…!)」

嫌悪感でいっぱいになった綾乃が必死に抵抗しようとするも、男の力には到底太刀打ちなどできない。
そして首元に顔を(うず)められた時、恐怖と絶望感が涙となってジワリと視界を滲ませていった。

「やだ…!お願い、やめて…っ!!」
「いやあぁ…!!」

その時だった。
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