カラダの関係は、お試し期間後に。
「いつもみたいに、男を試してみただけ…。でも、正直危なかった。あんたが来てくれなかったら…私、今頃ヤラレちゃってたかもしれない。あんな、クズみたいな男に……ほんと、私ってバカ…っ」

そこから口を閉ざす綾乃だが、葵はさらに問い詰める。
しかし、その声から怒りの感情は消え失せていた。

「…何されたの?アイツに」

「…え?」

「だからさ、キスされたり…触られたりしてないの?」

「…うん、ただ押し倒されただけ」

その答えを聞いた葵は、ようやく尖らせていた唇が元に戻ることとなった。

「……そっか!」

そしてマジメに綾乃に向き合うと、まっすぐに自分の想いをぶつけるのだ。

「お前さ、もう男を試すのとかやめたら?」

「え、なんで?」

「男なんてさ…バカで鈍感で単純な生き物だから、わざわざ試したりなんかする必要なんてないんだよ」
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