カラダの関係は、お試し期間後に。
「やっぱりなー。(笑)だからやめとけって言ったのに──」

「フラれてなんかないもん!!」

平常心を崩されたその口からは、本心ではない言葉ばかりが放たれていく。

「今回はね、大金持ちのイケメン御曹司くんなんだから……私、本気なの!彼だって、私のことちゃんと恋愛対象として見てくれてるし!このままうまくやって、絶対に玉の輿に乗ってやるんだからっ!!」

向き合い、そう早口でまくし立てる綾乃を見つめると、葵は少し黙ってからボソッとつぶやいた。

「……くだらねー」

そして当然、そんな言い草にムッとした綾乃はさらに食ってかかるのだ。

「くだらないって…何がよ?!」

「そうやって相手の表面にばっか囚われてんのがくだらないって言ってんの!……なに?お前…そんなんで幸せになれるとか本気で思ってんの?」
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