カラダの関係は、お試し期間後に。
「このっ……バカオンナ!!」

「ひっ?!」

突然の怒鳴り声に驚いている暇もなく、葵がツカツカと距離を詰めながらさらに声を張り上げる。

「自分を安売りするんじゃねぇよ!!そんなやり方で勝ち取る愛なんて……“本物の愛”なんかじゃねぇ!!」

あまりの剣幕にうろたえながらも、綾乃は喉の奥から声を絞り出して反抗した。

「な、何マジで怒ってんのよ…っ、私がどこの誰と寝ようがあんたには関係ないでしょ?!」

「………っ」

黙ったまま何も言い返そうとしない葵をしばらく眺めると、調子づいた綾乃は意地悪な微笑みを浮かべた。

「はっは〜ん、わかった……あんた、私が先に結婚しちゃうのが悔しいんでしょ?!だからいつもそうやって私のやることにいちいち反対するんだぁー?!でも残念でしたー!私はねぇ、このまま御曹司くんと───」
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