サディスティックをとめて〜♪

洋菓子②

僕達は比較的若くして結婚した。

彼女の両親からは反対された。

それも当然だ。

彼女がまだ社会人一年目ということもあったし、僕も大した収入もなかった。


僕と彼女が出会ったのは彼女が専門学校二年生の時だ。

調理師の専門学校に通っていた。

友人の紹介で四人で遊んだ。

僕は彼女に一目惚れしたのだ。

どこがいいかと言われるとはっきりと答えられないが彼女となら一緒にいたいと思ったのだ。

初めて二人でデートをした日に僕は思いを伝えた。

彼女はまだあなたのことを知らないからと断った。

それから時間がなかなか合わず、メールや電話だけの関係が続いた。

ある日の夜、彼女から電話がかかってきた。

こんな私でもよければとのことだった。


翌年、彼女は洋菓子店に就職した。

朝は早起きで夕方過ぎまで働いていた。

もちろん付き合ってからもなかなか会うことはなかった。

就職から半年が経ったころ、彼女は突如仕事を辞めた。

実は妊娠をしていたのだ。

彼女は僕との子供を産みたいと言ってくれた。

しかし彼女の両親は猛反対だった。

何のために専門学校に通わせたのか。

両親が言っていることは間違えなかった。

ただ早かれ遅かれ僕は彼女に婚約を申し込むつもりだった。

何度か彼女の両親と話し合った後、婚約を了承してくれた。

翌年の六月に長男が産まれた。

圭介と名付けた。

彼女の両親は喜んでくれた。

本当に可愛がってくれた。

その頃になると彼女の父親も僕のことを少しずつ受け入れてくれた。

彼女の両親に認めてもらうためにも必死になって働いた。

なにより彼女のことを幸せにしたかったし二人の子供も幸せにしたかった。

翌年の八月に次は長女が産まれた。

彼女のお父さんは大喜びだった。

僕も喜んでくれている彼女の両親を見て嬉しかった。
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