サディスティックをとめて〜♪
第二章　ハーモニカ横っちょ

不思議な彼女④

僕と彼女が出会った時のことをもう少し詳しく話そうと思う。

僕は高校を卒業後、OA機器の会社に就職した。

他の友人はほとんどが大学や専門学校に行った。

僕が社会人3年目の春に彼は紹介したい女の子がいると言い、食事に誘った。

その時に今の妻である葉月と初めて会った。

彼女は自分自身に合った喋り方や振る舞い、ファッションを熟知しているかのように見えた。

実際にそうだった。

よく言えば謙虚な女の子だった。

友人や彼の彼女、僕に対して平等且つ親しみのある接し方だった。

それとは対照に僕は人見知りで喋りも上手ではなかった。

そんな僕にでも彼女は話しかけてくれたし気をつかってくれた。

そして何よりも今までに感じたことのない居心地の良さを感じた。

僕は誰に気をつかわなくとも彼女にはありのままの自分でいられる。

そんな勝手とも言える考えで僕は彼女に惚れたのだ。

きっとこの先、こんな思いをすることもなければ彼女のような女性が現れることもないと思った。

後から聞いた話だが彼女は僕の話が面白かったようだ。

特に取り留めない僕の話に彼女はなぜ関心を抱いたのかは彼女にしかわからない。

もしかすると僕の話し方や表情、振る舞いを面白いと言っていたのかもしれない。

今となってはどうでもいいことなのだろう。

僕は一方的に彼女を好きなり告白をしたが、彼女は一旦断ったわけだ。

その後は僕も仕事が忙しく彼女と話す内容ははどちらかと言えば薄っぺらいものだっただろう。

仕事のことばかり考えてしまい会話の内容もほとんど覚えていない。

それでも彼女の笑い声は今でも覚えている。

時には裏をかいたかのように僕を欺くこともあった。

それはそれで面白かった。

そして彼女から電話があり、交際へと繋がった。
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