サディスティックをとめて〜♪

受付の女の子⑤

僕の会社は小さい規模ではあるが四人の従業員を雇っている。

三人は受付の女の子、一人は営業だ。

ほとんどの営業は僕が行っているが、彼には主に搬入や設置をお願いしている。

きっと僕より仕事はできると思う。

言われたことはきっちりと行うし報告も隈なくしてくれる。

僕より気の利いた従業員だ。

三人の受付の女の子は一人が大学生でもう二人はアルバイト。

そのうちの一人は夫と子供がいる。

僕が言うのもなんだがみんな優れていた。

僕の気づかないところでフォローやカバーもしてくれたし、それを当然のようにやる。

小さな会社だが、年に一度社員旅行をしている。

今年は京都に行く予定だ。

子供がいる家庭は子供の分の旅費も出している。

僕は一人で旅行をするのが好きなのでみんなとは別行動をとる。

食事の時だけは集まる。


旅行当日、僕は三年坂を一人で歩いていた。

風情がありとても興味深かった。

歩いていると後ろから誰かに呼ばれた。

受付の女の子だった。

どうやら各々に行きたい所があったようで従業員も別行動をしていたようだ。

せっかくなので近くの喫茶店に入った。

僕はコーヒーを注文し彼女はスイーツを注文した。

彼女は大学卒業後、僕の会社に入社した。

元々明るい性格で普段テニス教室に通っている。

彼女はスイーツを美味しそうに食べた。

僕は外の景色を眺めながら京都の街並みを楽しんでいた。

僕達以外にも旅行客は多く、街は賑わっていた。

それから夕食の時間まで街並みを一緒に歩いた。

普段彼女とはプライベートの話はほとんどしなかった。

彼女は大学一年生の時に彼氏と別れたきり八年間彼氏がいないとのことだった。

彼女のような明るく真面目なタイプでもなかなか彼氏ができないものなのかと不思議にも思った。
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