サディスティックをとめて〜♪

夕食⑥

夕食の集合時間は18時だった。

待ち合わせ場所に行くとみんな揃っていた。

そこは居酒屋だった。

みんなで乾杯をして湯豆腐のコース料理を食べた。

それぞれが異なる場所に行っていたようだ。

感想や体験を語り合っていた。

僕はビールを飲みながら皆んなが楽しそうに話す様子を眺めていた。

湯豆腐も美味しかった。

京都の豆腐は美味しい。

夕食を終えると宿泊する旅館に向かった。

趣のある旅館だった。

受付では女将が出迎えてくれた。

着物姿がとても似合っていた。

ひとまず温泉に入ることにした。

源泉の湯は本当に気持ちよかった。

湯船につかるのも久々のことだった。

女性風呂の方から微かに従業員の話し声も聞こえた。

僕は営業の男の子とゆったりと湯船につかっていた。

温泉から上がるとそれぞれの部屋に戻った。

窓から見える景色もよかった。


僕は妻に電話をした。

妻は食器洗いをしていたようだ。

僕が今日一日のことを話すと、いつか家族で行こうと言った。

何か変わったことはないかと聞いたが特にないとのことだった。

それもそうだ。

彼女は僕より家のことを把握しているのだから。

お土産を買ってくると言うと、それよりも楽しんできてねと言ってくれた。

電話を切るとなんだか妻に申し訳ない気持ちにもなった。 

彼女は彼女で家の家事を毎日している。

そういえば最近妻に何かしてあげられただろうか。

仕事ばかりで何もしてあげられていない。

妻にも一人の時間を作ってあげたいと思った。


旅行から帰ると僕は早速妻に旅行にでも行ってきたらどうかと話した。

妻は冷静な顔であなたとならと言った。

子供達は夏休みの間、祖父母に預けることにした。

どこに行きたい?

僕がそう聞くと妻はしばらく考えた。

「あなたと二人きりならどこでもいいわよ」

そう言うと彼女は微笑んだ。
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