先生、私がヤリました。

変装をやめる前に、まずはキャリーケースを外に出しました。

トイレの地べたに置くのはさすがに嫌でしたね。
でも仕方ないです。

ファスナーを開けて、そこに体を丸めて入るように指示しました。
ハヅキくんは靴を脱ごうとしてモタついたので、そのままでいいと言って、半ば無理矢理押し込む形で入れました。

でもファスナーを閉める前に言ったんです。

「アニメみたいでワクワクするでしょ。」って。
ハヅキくんはまた目をキラキラさせて頷きました。

その一言が無かったら、ハヅキくんは恐怖で泣き出していたかもしれません。
危なかったです。

ファスナーをちょっとだけ開けた状態で、キャリーケースを立たせました。
隙間から「ちょっと揺れたりするけど我慢出来る？地球の為なの。」って声を掛けました。
中からハヅキくんの頷く声が小さく聞こえました。