先生、私がヤリました。
リズちゃんはどうしていいか分からないみたいで部屋をキョロキョロ見回してました。

テーブルの前に腕を引いて連れていって、ハヅキくんの隣に座らせました。

食器棚から小さい取り皿と、箸はリズちゃんの分は無かったのでコンビニで貰って余っていた割り箸を持っていきました。

「お箸、使える?」

リズちゃんは頷いて箸を握ったけど、変な持ち方をしたので、「こうやって持つの。」って、リズちゃんの手を持って教えました。

私、箸の持ち方には自信があるんですよ。

小さい頃ね、飲食店って子ども用の取り皿とかスプーンやフォークを貸してくれるじゃないですか。
持ち手にキャラクターの顔が付いてるみたいなやつ。

私も幼児達の例に漏れず、それらを使いたくて堪りませんでした。
でも母はデザート以外では使わせてくれませんでした。

「小さいうちにそういうのばっかり使ってたら箸がちゃんと使えなくなる。」って。

世間的にはどうか知らないけど、私は母の教えは正しかったと思うし感謝してます。

だからハヅキくんにもなるべく箸を使わせてました。
ハヅキくんはうちにやってきた四歳の時から綺麗に箸を持てる子でした。

みんなでご飯を食べながら、プリンアラモードを買い忘れたことを思い出しました。
すごく急いでたし、近くにケーキ屋さんも無さそうだったし。

でもハヅキくんはプレゼントのお友達が嬉しかったのか、逆にプリンアラモードのことは忘れてるみたいでした。
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