先生、私がヤリました。
翌日は昼間からケーキ屋さんに行ってきました。

プレゼントでハシャいでてプリンアラモードのことを忘れてくれてたのに、朝になって思い出しちゃったからです。

ぐずられても困るので買ってきてあげることにしました。
プリンアラモード買いに行ってくるよって言うと、ハヅキくんは自分から率先してケージに入りました。

忘れてたクセに、本当はそんなに食べたかったんですね。

最寄りの駅前にお洒落なケーキ屋さんがあります。
そう、そこです。
よく利用されるんですか?

あー、分かります
この辺だと一番お洒落だし、誕生日やクリスマスってほとんどの家庭があのケーキ屋さんで買ってますよね。

私も小さい頃はそうでした。
あそこでミルフィーユやタルトを買ってもらうのが大好きでした。

でも、両親が死んでからは初めてあのお店に行きました。

自動ドアを通り抜けたあとの、甘い香り。
あの香りってケーキ屋さん特有ですよね。

カラフルなろうそく。
ツヤツヤの苺やチョコレート。
ふわふわのシュークリームに、大好きだったミルフィーユ。

全部の光景を不思議と私は憶えてました。

ショーウィンドウの下段、真ん中にプリンアラモードはありました。
ちょっと固めのプリンの周りを彩る鮮やかなフルーツ。

オレンジ、桃、キウイ、さくらんぼ、半分にスライスされた苺。

私はそれを二つ買いました。
それから五のろうそくも一本。
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