先生、私がヤリました。
「やましいことが無いのなら黙ってるべきですよ。奥さん、学習したほうがいいですよ?他人は有る事無い事でっちあげて騒ぐんです。忘れたんですか?」

「もういいから。話があるならさっさと済まそう。」

先生が先にリビングを出ました。
私は奥さんに近付いて、出来るだけ耳元で言いました。

「私と先生の問題なので部外者は口出さないでください。大丈夫ですよ。ハヅキくんのことは言いませんから。」

奥さんは何も言いませんでした。
怒りに満ちた目で見られても、なんとも思いませんでした。

早く私の物語から退場してくれないかな。
ハヅキくんのことを心から愛せないのなら尚更。

この女の存在価値ってなんだろう。

こんな女、要らない。
先生にもハヅキくんにも。

先生を手に入れる為にはハヅキくんで気を引くより、奥さんをさっさと消しちゃったほうが手っ取り早かったかもなぁって思い始めてました。

今のままだと先生の人生に奥さんはずっと残るんだよなって思ったら気が狂いそうなほど嫌でした。

誰か殺しちゃってくれないかな、この女。
そんなこと思ったって叶わないことも分かってたので、この時点で私の負けは決まってたのかもしれないです。

そこで引き下がってたら私の運命は変わってたのかな…。
ハヅキくんも、リズちゃんも。
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