狂女の偏愛
変わった子。

小さな頃からよく聞いた自分へ向けられた言葉。

自分の何がそう言われるのか、どこが他人と違うのか私には解らなかった。

普通でありたくて、努めてそうあろうとするほどに人は私を嘲笑った。

中学時代のあだ名は変な子だから略してヘンコ。

友達はいなかった。

クラスメイトはいじめに荷担するか、見てみぬふり。

いじめというのは伝播していくものらしく話したこともない他クラスの子から悪口を言われることも珍しくなかった。

靴に画鋲。ノートや教科書が破られる。机に落書き。鞄が隠される。

古典的だけれど嫌がらせをされた方は確実にダメージを受ける。

学校に行くのが辛かった。
でも、休むことは出来なかった。

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