とある悪役令嬢は婚約破棄後に必ず処刑される。けれど彼女の最期はいつも笑顔だった。
「アメリア嬢。勝手な事をして、申し訳ありませんでした」
エドガー王子は申し訳なさそうに表情を落とし、深々と私に頭を下げた。
あれから私はエドガー王子に抱きかかえられたまま、次々と目の前の景色が切り替わったかと思うと、いつの間にか王城から遠く離れた場所まで移動していた。
そこで彼は私を地面に降ろし、再び私の目の前で跪いて謝罪してきた。
「いえ……助けて頂き、ありがとうございます。あの、エドガ―王子……いえ、エド。どうして私を助けてくれたのですか? 貴方はどこかの令嬢と駆け落ちしたと聞きましたけど……」
「は……? 駆け落ち? いえ、そんな事は……いや、そういう事になるのかもしれないな」
エドは何か考える様にブツブツと呟いた後、私に向かってニコッと笑った。
「僕の駆け落ちの相手はあなたですよ。アメリア嬢」
「え……?」
この人は一体何を言っているのかしら?
だって、駆け落ちって好き同士の人がやるものでしょ?
エドは真剣な顔を私に向け、左胸に手を当てた。
その姿は、まるで私に忠誠を誓う騎士の様にも見える。
「アメリア嬢、僕はこれからの人生、この命を貴方の為だけに使います。これまでに経験した貴方の悲しみが、決して無駄なものでは無かったと思える程、僕が貴方を幸せにしてみせます」
「私が……幸せに……?」
その言葉に、全くピンと来ない。
だって、私に一番相応しくない言葉じゃない?
なんでこの人は私にそんな事を言ってくるのだろうか。
私とは、たった一回しか会ってないでしょ?
それなのに……なんでこの人の言葉はこんなにも心に響くのだろうか?
信じたい……この人の言葉を――。
エドガー王子は申し訳なさそうに表情を落とし、深々と私に頭を下げた。
あれから私はエドガー王子に抱きかかえられたまま、次々と目の前の景色が切り替わったかと思うと、いつの間にか王城から遠く離れた場所まで移動していた。
そこで彼は私を地面に降ろし、再び私の目の前で跪いて謝罪してきた。
「いえ……助けて頂き、ありがとうございます。あの、エドガ―王子……いえ、エド。どうして私を助けてくれたのですか? 貴方はどこかの令嬢と駆け落ちしたと聞きましたけど……」
「は……? 駆け落ち? いえ、そんな事は……いや、そういう事になるのかもしれないな」
エドは何か考える様にブツブツと呟いた後、私に向かってニコッと笑った。
「僕の駆け落ちの相手はあなたですよ。アメリア嬢」
「え……?」
この人は一体何を言っているのかしら?
だって、駆け落ちって好き同士の人がやるものでしょ?
エドは真剣な顔を私に向け、左胸に手を当てた。
その姿は、まるで私に忠誠を誓う騎士の様にも見える。
「アメリア嬢、僕はこれからの人生、この命を貴方の為だけに使います。これまでに経験した貴方の悲しみが、決して無駄なものでは無かったと思える程、僕が貴方を幸せにしてみせます」
「私が……幸せに……?」
その言葉に、全くピンと来ない。
だって、私に一番相応しくない言葉じゃない?
なんでこの人は私にそんな事を言ってくるのだろうか。
私とは、たった一回しか会ってないでしょ?
それなのに……なんでこの人の言葉はこんなにも心に響くのだろうか?
信じたい……この人の言葉を――。