政略結婚ですが、不動産王に底なしの愛で甘やかされています
「ひどいです。私はこれまで社長にずっと尽くしてきたのに」
今日のような会食などは俺ひとりで問題ないと繰り返し伝えているし、遅くまで会社に残らなければいけない時も先に帰るように促している。
それでも秘書という立場だからと主張して、俺に付き添っていた行動を『尽くしてきた』と言われれば否定のしようがない。
恵茉と出会ったあの日もそうだった。久我不動産が所有するホテルで商談があったのだが、休日にもかかわらず『私がいた方が、場が和みますよ』と言って引かなかった。
たいした問題ではないと坪井をきちんと説得せず、仕事熱心な秘書ということで流したけれど。これまでそうやって自由にさせた俺に落ち度があったのだ。
「社長を陰ながら支えていきたいと思っていたんですよ? それなのにいきなり結婚して……」
どうやって場を収めようか。店の敷地内でいつまでも立ち話をしていたら迷惑になる。
「坪井、少し落ち着こう。今日はアルコールが入っているし、明日また話をしよう」
この場所で騒ぎ立てるよりそちらの方がましだ。
今日のような会食などは俺ひとりで問題ないと繰り返し伝えているし、遅くまで会社に残らなければいけない時も先に帰るように促している。
それでも秘書という立場だからと主張して、俺に付き添っていた行動を『尽くしてきた』と言われれば否定のしようがない。
恵茉と出会ったあの日もそうだった。久我不動産が所有するホテルで商談があったのだが、休日にもかかわらず『私がいた方が、場が和みますよ』と言って引かなかった。
たいした問題ではないと坪井をきちんと説得せず、仕事熱心な秘書ということで流したけれど。これまでそうやって自由にさせた俺に落ち度があったのだ。
「社長を陰ながら支えていきたいと思っていたんですよ? それなのにいきなり結婚して……」
どうやって場を収めようか。店の敷地内でいつまでも立ち話をしていたら迷惑になる。
「坪井、少し落ち着こう。今日はアルコールが入っているし、明日また話をしよう」
この場所で騒ぎ立てるよりそちらの方がましだ。