政略結婚ですが、不動産王に底なしの愛で甘やかされています
しばらくしてスマートフォンが鳴り、無事に到着したと朔から連絡を受ける。紙袋を持ってマンションの外に出ると、エントランスの前で朔がマウンテンバイクに跨っていた。
背が高いせいもあり、薄暗い中で見ると成人男性のように見える。
「何分かかった?」
「二十分くらい。けっこう近いね」
自転車を降りた朔はスタンドを立てる。それから私が持っている紙袋をさりげなくさらっていった。
「めちゃくちゃ重いじゃん。なにが入ってるの?」
袋の口を広げた朔と一緒に中を覗き込んで説明をしていると、車のエンジン音がして顔を上げた。
ヘッドライトがまぶしく目を細め、邪魔にならないように道路の脇に寄る。しかし車は走り去らずに私たちの手前で停車した。よく見るとタクシーだ。
背が高いせいもあり、薄暗い中で見ると成人男性のように見える。
「何分かかった?」
「二十分くらい。けっこう近いね」
自転車を降りた朔はスタンドを立てる。それから私が持っている紙袋をさりげなくさらっていった。
「めちゃくちゃ重いじゃん。なにが入ってるの?」
袋の口を広げた朔と一緒に中を覗き込んで説明をしていると、車のエンジン音がして顔を上げた。
ヘッドライトがまぶしく目を細め、邪魔にならないように道路の脇に寄る。しかし車は走り去らずに私たちの手前で停車した。よく見るとタクシーだ。