政略結婚ですが、不動産王に底なしの愛で甘やかされています
「疲れているところごめんね」
「いや、それは……」
首を横に振った涼成さんの口調が何故だか歯切れ悪い。エントランスホールに入ってエレベーターに乗っても口を閉ざしたまま。
やっぱりいつもと違う。仕事でなにかあったのかもしれない。
部屋に戻ってまず手洗いとうがいをして、それからパジャマに着替えた。
なにげなくスマートフォンを手に取ると、別れたあとすぐに送ったのか朔からメッセージが届いている。
《不動産王っていうからどんな堅物かと思っていたけど、イケメンだし、恵茉ちゃんのことめっちゃ好きじゃん。俺にヤキモチ焼いてたね》
ええっ? あれってヤキモチなの?
そうだと知った途端、顔が火照ってどうしようもない。部屋の中を行ったり来たりして照れくさい気持ちを落ち着かせる。
ほどなくしてシャワーを浴びた涼成さんが、髪を濡らしたままリビングへやってきた。
「風邪ひくよ」
グラス一杯の水を差し出しながら心配すると、涼成さんは私の手からそれを抜き取ってテーブルに置いた。
なんだろうと思ったのも束の間、強く抱きしめられて心臓が飛び出しそうなほど高鳴る。
「いや、それは……」
首を横に振った涼成さんの口調が何故だか歯切れ悪い。エントランスホールに入ってエレベーターに乗っても口を閉ざしたまま。
やっぱりいつもと違う。仕事でなにかあったのかもしれない。
部屋に戻ってまず手洗いとうがいをして、それからパジャマに着替えた。
なにげなくスマートフォンを手に取ると、別れたあとすぐに送ったのか朔からメッセージが届いている。
《不動産王っていうからどんな堅物かと思っていたけど、イケメンだし、恵茉ちゃんのことめっちゃ好きじゃん。俺にヤキモチ焼いてたね》
ええっ? あれってヤキモチなの?
そうだと知った途端、顔が火照ってどうしようもない。部屋の中を行ったり来たりして照れくさい気持ちを落ち着かせる。
ほどなくしてシャワーを浴びた涼成さんが、髪を濡らしたままリビングへやってきた。
「風邪ひくよ」
グラス一杯の水を差し出しながら心配すると、涼成さんは私の手からそれを抜き取ってテーブルに置いた。
なんだろうと思ったのも束の間、強く抱きしめられて心臓が飛び出しそうなほど高鳴る。