政略結婚ですが、不動産王に底なしの愛で甘やかされています

「柳沢さんがよければ、その計画に俺も関わらせてほしい」

「それは、どういった形で……」

　突然の提案に心臓が激しく高鳴って口から飛び出しそうだ。

「土地の一部は動物保護施設に。残りは俺が運用するというのはどうだ？」

　どう……なんだろう。うまい話には裏があると言うし。

「もう少し具体的に話してもらいたいのですが」

　久我さんはテーブルの上に両肘を立てて手を組み私を見据えた。すぐに逸らしたくなったのを堪えてドキドキとしながら視線を返す。

「俺と結婚しよう。俺だったらその土地を活用して収益を上げられるし、施設に関しては俺の持つ力を使って全力でサポートできる」

　突拍子もない発言に開いた口が塞がらない。

「正直なところ俺は君を好きなわけではない」

　そんなのあたり前だ。ここで好きと言われても結婚詐欺と思うだろう。