政略結婚ですが、不動産王に底なしの愛で甘やかされています
「できればカフェでお願いしたいです。それが難しいようでしたら、日を改めていただくか、涼成さんと電話が繋がるまで待っていただかなければいけません……」
引き下がってもらえたらという一縷の望みを持って再度提案すると、坪井さんはかなり不服そうな表情をたたえながらため息をついた。
「わかりました、カフェでいいです。仕方ないですもんね」
納得してもらえてよかったという安堵と、その態度はいったいなんなのだという不快感に板挟みになる。
ひとまずエントランスホールで待ってもらい、私は食材をしまうため部屋へ急いだ。
カフェに到着するまでに涼成さんから折り返しの電話がないかと期待したが、残念ながらスマートフォンは静かなまま。
私たちの間にも会話はなく、カフェまでの五分ほどの道のりが一時間くらいに感じるほどだった。
引き下がってもらえたらという一縷の望みを持って再度提案すると、坪井さんはかなり不服そうな表情をたたえながらため息をついた。
「わかりました、カフェでいいです。仕方ないですもんね」
納得してもらえてよかったという安堵と、その態度はいったいなんなのだという不快感に板挟みになる。
ひとまずエントランスホールで待ってもらい、私は食材をしまうため部屋へ急いだ。
カフェに到着するまでに涼成さんから折り返しの電話がないかと期待したが、残念ながらスマートフォンは静かなまま。
私たちの間にも会話はなく、カフェまでの五分ほどの道のりが一時間くらいに感じるほどだった。