私の嘘と彼女の真実
カレーにキュウリが入っていれば、そりゃ怒りたくもなる。
しかし、当の友子といえば。
『えー。
だって、キュウリってズッキーニの友達でしょ?』
などとふわふわうふふと笑われたら気が抜けて、なにも言う気がなくなった。
そんな具合なので和史の苦労しているのだろう。
……などと季実枝は同情したものの。
「まー、あんだけ可愛くて家庭的な顔してるのに、料理下手とか反対にギャップ萌え?っていうか?」
でれっと和史の顔が崩れ、殴ってやろうかと一瞬思った。
その後も、愚痴という名ののろけは続いていく。
ただ単に、友子を知っている知人ということで、話を聞いてほしかっただけのようだ。
それからもたまに呼び出しされては、のろけを聞かされた。
しかしそれは次第に、のろけが消えて完全な愚痴へとなっていく。
「俺、朝は苦手で食事はいらないって言うのに、毎日立派な朝食が並んでるんだ……」
はぁーっと重いため息が、和史の口から落ちていく。
「なに?
友子の手料理だったら朝から食べられるの?」
違うとわかっていながら、それでもからかってみせる。
和史は低血圧気味なのか朝が弱い。
しかし、当の友子といえば。
『えー。
だって、キュウリってズッキーニの友達でしょ?』
などとふわふわうふふと笑われたら気が抜けて、なにも言う気がなくなった。
そんな具合なので和史の苦労しているのだろう。
……などと季実枝は同情したものの。
「まー、あんだけ可愛くて家庭的な顔してるのに、料理下手とか反対にギャップ萌え?っていうか?」
でれっと和史の顔が崩れ、殴ってやろうかと一瞬思った。
その後も、愚痴という名ののろけは続いていく。
ただ単に、友子を知っている知人ということで、話を聞いてほしかっただけのようだ。
それからもたまに呼び出しされては、のろけを聞かされた。
しかしそれは次第に、のろけが消えて完全な愚痴へとなっていく。
「俺、朝は苦手で食事はいらないって言うのに、毎日立派な朝食が並んでるんだ……」
はぁーっと重いため息が、和史の口から落ちていく。
「なに?
友子の手料理だったら朝から食べられるの?」
違うとわかっていながら、それでもからかってみせる。
和史は低血圧気味なのか朝が弱い。