悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~2
「婚約中だからといって、相手はアメリアだから、まだまだ安心できないんだがな」
私だからという言い分は、どういう意味なのか。
しかし、言うよりも先に手を引かれた。腰に腕が回ってきたと思った時には、ソファに押し倒されてしまっていた。
「あっ」
驚いた目を瞑った一瞬後には、目の前に彼の顔があって心拍数が上がった。
以前、ソファの上でされたキスを思い出した。
あの時の艶めかしく濃厚な口付けが蘇り、頬がじわりと赤くなる。今にも彼の鼻先と触れ合いそうだ。
放っておかれた反動? それとも、ルカに嫉妬したのか。
(まさか……だって私は、エリオット様が好きだと伝えていて)
考えている間にも、ソファに押し付けられている片方の手を指絡めて握られ、心臓がばっくんとはねた。
「じゃ、じゃあ、いつになったら安心してくれるの?」
甘い空気を吹き飛ばすみたいに、咄嗟に口を開いた。
するとエリオットが、アメリアの胸元で広がったチェリーピンクの髪を指ですくった。見せつけるように唇で触れる。
「初めてを俺が奪えたら、少しは――と答えたら満足か?」
見据えてくる強い紺色の目に、鼓動がより速まった。
彼が思い浮かべていることを考え、頭の中が沸騰しそうになる。この状況で言われると、生々しい。
「……す、少しだけなの?」
私だからという言い分は、どういう意味なのか。
しかし、言うよりも先に手を引かれた。腰に腕が回ってきたと思った時には、ソファに押し倒されてしまっていた。
「あっ」
驚いた目を瞑った一瞬後には、目の前に彼の顔があって心拍数が上がった。
以前、ソファの上でされたキスを思い出した。
あの時の艶めかしく濃厚な口付けが蘇り、頬がじわりと赤くなる。今にも彼の鼻先と触れ合いそうだ。
放っておかれた反動? それとも、ルカに嫉妬したのか。
(まさか……だって私は、エリオット様が好きだと伝えていて)
考えている間にも、ソファに押し付けられている片方の手を指絡めて握られ、心臓がばっくんとはねた。
「じゃ、じゃあ、いつになったら安心してくれるの?」
甘い空気を吹き飛ばすみたいに、咄嗟に口を開いた。
するとエリオットが、アメリアの胸元で広がったチェリーピンクの髪を指ですくった。見せつけるように唇で触れる。
「初めてを俺が奪えたら、少しは――と答えたら満足か?」
見据えてくる強い紺色の目に、鼓動がより速まった。
彼が思い浮かべていることを考え、頭の中が沸騰しそうになる。この状況で言われると、生々しい。
「……す、少しだけなの?」