悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~2
「疑問か? アメリアは魅力的だから、結婚したとしても、俺は心配してこの腕の中から放したくないと思うだろう。いや、俺がアメリアとずっといちゃいちゃしたくて仕方がないから、放したくなくなるんだ」

エリオットの顔が近付く。

唇にくる。そう思って身構えた直後、頬にキスをされた。

(あっ……唇ではなかったわ)

期待していた自分に気付いて、猛烈に恥ずかしくなった。

真っ赤になって言い返せないのをいいことに、彼は顎や首すじにちゅっちゅっとキスを徐々に降ろしていく。

「んっ。エリオット様、今は休憩中だから」

敏感な皮膚に吸い付かれて、軽く抵抗する。

「休憩は好きに使っていい時間なんだ。だから俺は、アメリアに〝愛している〟と身体でも表現する」

そんなの困る。

彼の攻めの溺愛モードは、初心なアメリアにはハードルが高過ぎた。けれど肩や腰を優しく抱いてくる彼の手さえ、本気で拒めない。

「……あ……あ、エリオット様……」

彼に肌を吸われると、背が甘く震えた。

触れてくれているのがエリオットだから、緊張も押しやられるほど、恥ずかしいけどうれしくもあって――。

「最近は、素直で可愛い反応を見せてくれてうれしい」

言いながら、キスで全て触れると言わんばかりに彼の唇が触れていく。首の下、鎖骨の上も軽く吸い付かれた。

「今日は、痕もつけようか」

耳元で低く囁かれて、ドキッとする。

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