悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~2
「気がお早いですわね。これから向かおうと思っていたところですわ」
「そうか――ところでルカ第五王子殿下は、俺の婚約者に何か用でも?」
エリオットの目が、冷ややかさを宿してルカへ向く。
「最近、俺のアメリアに世話になっているようだな。貴殿はたしか、留学の身のはずだが」
「城への滞在は感謝しています。色々と勉強になっています。アメリア嬢は才女としても名高いので、勉強になるかなと思いまして、お声掛けをさせていただいたんですよ」
にこにこしてルカが答えた。
二人の間で、見えない火花が散っているように感じた。気のせいでなければ、かなりピリピリと空気が張り詰めている
(ええと、これはいったい……)
止めた方がいいのか迷った。しかし、クラークに後ろからやめるよう合図された。
「あの、大丈夫なのでしょうか?」
こそっと尋ねたら、彼が頭を屈めて同じく口元に手を添えて囁き返す。
「殿下に全てお任せなさい」
「あっ、もしかして先に聞いて……?」
「あたりまえです。私は殿下に護衛騎士として抜擢されましたからね。朝と午後、毎日報告のためにも会っています」
考えてみれば当然のことだ。クラークは、朝会った際にエリオットにこのことを伝えられていたのだろう。
その時、アメリアは嘲笑するような吐息を聞いた。
「そうか――ところでルカ第五王子殿下は、俺の婚約者に何か用でも?」
エリオットの目が、冷ややかさを宿してルカへ向く。
「最近、俺のアメリアに世話になっているようだな。貴殿はたしか、留学の身のはずだが」
「城への滞在は感謝しています。色々と勉強になっています。アメリア嬢は才女としても名高いので、勉強になるかなと思いまして、お声掛けをさせていただいたんですよ」
にこにこしてルカが答えた。
二人の間で、見えない火花が散っているように感じた。気のせいでなければ、かなりピリピリと空気が張り詰めている
(ええと、これはいったい……)
止めた方がいいのか迷った。しかし、クラークに後ろからやめるよう合図された。
「あの、大丈夫なのでしょうか?」
こそっと尋ねたら、彼が頭を屈めて同じく口元に手を添えて囁き返す。
「殿下に全てお任せなさい」
「あっ、もしかして先に聞いて……?」
「あたりまえです。私は殿下に護衛騎士として抜擢されましたからね。朝と午後、毎日報告のためにも会っています」
考えてみれば当然のことだ。クラークは、朝会った際にエリオットにこのことを伝えられていたのだろう。
その時、アメリアは嘲笑するような吐息を聞いた。